Snow Monkey のメジャーアップデートである v19 のベータ版を配布します。メジャーアップデートは後方互換性に影響がでる可能性が高いアップデートになりますので、もしテスト環境で動作確認いただける方は、正しく動作できた、ここにこういう不具合があった、などなどオンラインコミュニティにご報告いただけるととても助かります!また、ベータ版はあくまで動作確認用であるため、本番環境での利用は推奨されません。
v19 beta4 からの変更点
変更
- 記事直下や InnerBlocks 直下のブロックについて、
margin-bottom
も付与されるようにしていたのを取り消し
不具合の修正
- WPAW ではじまるカスタムブロックが表示されない不具合を修正
Snow Monkey v19 の概要
これまで一部機能のみを持たせていた theme.json
を本格的に使用する形に変更を入れました。文字サイズ・余白サイズ・色、コアブロックの基本スタイル等を theme.json
を使う形に変更しました。
また、CSS についても全面的に再設計をおこないました。変更は多岐にわたるので、テスト環境でアップデートしていただき、実際に崩れが出ないか確認していただくのが確実だと思いますが、大きなポイントとしては CSS カスタムプロパティを積極的に利用する形に変更を入れたことと、タイポグラフィ周りの設計を変更したことです。
すべての変更点については下記を参照してください。
機能追加
- 余白サイズの定義を
theme.json
に追加
変更
- フォントサイズの定義を一新
- フォントサイズの定義を PHP(
editor-font-sizes
)からtheme.json
に移動 - 色の定義を PHP(
editor-color-palette
)からtheme.json
に移動 a
要素の色定義を CSS からtheme.json
に移動- いくつかのコアブロック用 CSS を
theme.json
に移動 - いくつかのブロックで
blockGap
を使うように変更 - CSS の全面的な見直し・再設計
- タイポグラフィの設計の見直し
- 余白の設計の見直し
- CSS カスタムプロパティを使った再設計
- サイズ変更等の一部のメディアクエリを除去
- 余白サイズ・文字サイズのデバイスごとのサイズ指定をメディアクエリから
clamp
に変更 - コンテナー(とページ)の左右余白を少し広めに変更
.c-row
のスマホ時の余白が PC より狭めだったのを、PC と同じに変更- ページレイアウトが「右サイドバー」「左サイドバー」のときのメイン/サイドバー間の余白のとり方を変更
- ページレイアウトが「右サイドバー」「左サイドバー」のときのカラム落ちするための条件を変更
- キャプションの色を灰色→黒に変更
- ドロップナビにロゴを表示したときは、
center
ではなくspace-between
に変更 - お知らせバーが非表示のときは、
data-infobar-position
を出力しないように変更 - スペーサーブロックの前後のブロックの余白は打ち消さないように変更
- PHP のコードフォーマットを WordPress 標準のものに変更
- パターンを最新の構造にアップデート(要 Snow Monkey Blocks v18 以上)
- フィルターフック
snow_monkey_editor_color_palette
を廃止 - フィルターフック
snow_monkey_editor_gradient_presets
を廃止 - フィルターフック
snow_monkey_editor_font_sizes
を廃止
不具合の修正
- Android 端末でツイートボタンが機能しない不具合の修正
タイポグラフィの設計変更について
僕が開発しているもう一つの WordPress テーマ unitone とほぼ同じ設計に変更しました。
余白のバリエーションはフィボナッチ数列、文字サイズのバリエーションは調和数列に基づいたもので定義しなおしました(これまでのサイズ定義についても CSS は残しているのでアップデートしても崩れることはありません)。
それに伴い、既存の CSS カスタムプロパティ名についても命名の統一を図るために変更をおこないました。詳しくは下記のページを参照してください。
文字サイズについて
例えば .c-entry-summary__content
には --_font-size-level: -1;
という CSS カスタムプロパティが設定されています。--_font-size-level
は -2
〜 7
の10段階があり、0
を標準サイズとして、小さくなるほど小さく、大きくなるほど大きくなるようになっています。
.c-entry-summary__content {
--_font-size-level: 0;
}
のようにすることで文字サイズを1段階大きくすることができます。
margin / padding について
例えばグループブロックや段落ブロックに背景色を設定したときに追加される .has-background
というクラスには padding: var(--_padding1);
という CSS が設定されています。padding
用の CSS カスタムプロパティ --_padding{数字}
は -2
〜 7
までの10段階があり、1
を標準サイズとして、小さくなるほど小さく、大きくなるほど大きくなるようになっています(例外的に 0
は 0px
)。したがって、.has-background
には標準サイズの padding
が設定されている、ということになります。
下記のような CSS を追加することで、padding
を1段階大きなものに変更できます。
.has-background {
padding: var(--_padding2);
}
margin
についても padding
と同じように--_margin{数字}
という CSS カスタムプロパティが用意されています。
コンテナー(とページ)の左右余白を少し広めに変更
モバイルと PC でコンテナー(とページ)の左右余白はこれまでモバイルが少し小さめ、PC が少し広めとなっていましたが、CSS からメディアクエリを減らす作業の一貫でモバイルと PC の左右余白の大きさを統一しました。
それに伴い、カスタマイザー → デザイン → 基本デザイン設定 → モバイル端末時のコンテンツの左右余白の選択肢も、「標準」「広め」から、「狭め」「標準」に変更になりました。「狭め」に設定すると、これまでの余白とほぼ同じ大きさになります。
ページレイアウトが「右サイドバー」「左サイドバー」のときの CSS の変更
ページレイアウトが「右サイドバー」「左サイドバー」のときのメイン/サイドバー間の余白のとり方、カラム落ちするための条件を変更しました。
具体的には、これまで余白は margin
であけていたものを gap
であけるように変更、ブレイクポイントによってカラム落ちさせていたのを、メインカラムの最小幅がスリム幅(var(--wp--custom--slim-width)
)を維持できなくなったときにカラム落ちするように変更しました。