地方 Web 系フリーランサーとしてどのように生きていくか

この記事は Snow Monkey アドベントカレンダー 2018 24日目の記事です。

Snow Monkey アドベントカレンダーで書くのもどうかなとは思ったのですが、個人で WordPress のテーマ販売で食っていくというのはどういう感じなのかとか、地方でフリーランスとしてやっていくというのはどういうことなのかとか、今後個人で WordPress テーマの販売をする人を増えれば良いなと思っている僕が発信することはそれなりに意味があるのじゃないかなと思ったので書いてみることにします。

なお、これまで僕なりのフリーランス論・仕事論はちょこちょこ登壇させて頂いてお話したり記事を書いたりしているので、ちょっと焼き増し感はあります、すみません。

ジェネラリストかスペシャリストか

とりあえず、どうやって生きていくかということを考えたときに、大筋の戦略を決めたほうが良いのではないかというのが僕の考えです。僕はそれが「ジェネラリスト」を志向するのか、「スペシャリスト」を志向するのかということが出発点になるのではないかなと思います。要はディレクションもデザインも実装も一通り何でもやるようにするのか実装だけを集中的にやるのかとか、いろんな CMS を使うのか、特定のやつだけに特化するのかとかそんな感じです。

これは人それぞれ向き不向きがあるのでどちらが正解というのは無いと思いますが、僕は当初からスペシャリスト志向でした。基本的に僕はいわゆる「仕事」をやりたくないタイプの人間なので、やりたくないことを先に決めていったらそうなっちゃったという感じではあります笑

僕はやりたくないことが多くてそうなっちゃっただけなのであまり参考にはならないと思うのですが、どうでしょうね、効率的な観点でいえばスペシャリスト志向のほうが良いような気がしています。

例えばWeb サイト制作の場合、なんでも自分で一通りやるとすると、ヒアリングして要件定義してデザインして実装をして、みたいな感じになると思います。そうするとどうしても工期が長くなるし、一度にやれる仕事も多くないので、収入の波が大きくなっちゃうと思うんですよね。会社なら人数がいるのでそれぞれ時期を調整すれば波の幅をある程度は調整できると思うのですが、一人だとどうしてもそれは難しいわけで、いきなり案件がとんだりお金払ってもらえないとかなると突然ジ・エンドになる可能性もあります(あ、ちょっと話はそれますが、お金をちゃんと払わない人というのは思っていたよりいるなと思うので、ちゃんとお金を回収するのもフリーランスとして大事な能力だと思います)。

僕の場合は「実装しかやらない」としていたので、基本的には案件が半分くらい進んだ状態からの着手になることが多いです。だから全部を自分でやる場合に比べて、その仕事に占有される時間が短めですみます。また、基本はコーディングしかやらない、WordPress しかやらない、だったので、できることが尖ってきて自然と「プロ感」がでてきたように思います(当社比)。これは能力の問題というよりは演出の問題だと思うので、そういう意味でそれほど仕事に困窮することなくここまでこれたんじゃないかと思います。

あと、地方だと、地元に仕事がありません(僕にないだけの可能性は大いにあります)。だから全国から仕事が入るようにしていったほうが良いのですが、その場合もやっぱり「この人にしかできない」があると地域を問わず仕事が入ってきやすいので、そういう意味でもおすすめです。

(あ、もちろん本当に全世界で自分にしかできないことなんて簡単にできることじゃないので、本当にそういうことという意味じゃなくて、このときはこの人と頭に浮かんでもらえる存在になるというかそんな感じです)

「能力が高い人の何でもできる」は本当に凄まじいのですが「一般的な能力の場合の何でもできる」は相対的に「= 何にもできない」となってしまうことがあるので、本当に個人的な意見ではあるのですが、ある程度自分の得意分野というのはつくっておいたほうがやっていきやすいんじゃないかなと思います。

ただ、狭めすぎるとその分野が下火になったときに終わっちゃう問題もあるので見極めは必要ですよね…。僕の場合、WordPress が下火になるとジ・エンドなので、もう1本何かあると良いなと常々思っていたりします(と言いながら WordPress テーマ販売1本に絞るとか言い出しているので支離滅裂感)。

受託か、自分のサービス/プロダクトを売るか

他にもいろいろあると思うのですが、僕が経験があるのはこの2つなのでこの2択で書きます。まぁこれも自分が好きなほうをやるというのが正解だと思うので、僕の場合は、ということで。

僕は今年の後半から受託を減らし、もう来年度は新規の受託はやらずに自分のプロダクトである WordPress のテーマ販売に専念するという方針をとることにしました。なぜそのような方針をとったかというと、単純に僕は受託が好きじゃない(向いていない)と思っているのと、あと、ずっと受託を続けていくのは難しいと感じているからです。

好きだったり能力がある人はバリバリ受託やるのは向いていると思うんです。好きならそれほどストレスを感じずに没頭できるし、能力があれば競争にも勝てるので。でも僕の場合は受託は好きじゃないのでストレスが強いし、もう技術力では他の人に勝てないという意識も強いので、受託をこのままずっと続けていくのは難しくなると思っています。かといって自分のサービス/プロダクトを売るというのもそう簡単じゃないのはわかっています。ただ、どちらも難しいのであれば、自分のやりたいほう、自分が可能性を感じるほうに賭けたほうが良いと思いました。

もし自分のサービス/プロダクトで市場をつくれれば、それは一つ競争が減る、ということになります。例えば WordPress でサイト制作をできる人は山程いますが、Snow Monkey をつくってメンテできる人は僕しかいません。だから、WordPress でサイト制作できる人を探したい、というところから仕事をとるのは競争にさらされますが、Snow Monkey を使っていきたいという人の依頼(ちょっとバッチリくる言葉が見つからなくて僕の意図をちゃんと表現できていない気はする)であれば僕が独占することができます。や、それが難しいというのは前述したようにわかっていますよ、でもそのほうが可能性を感じるし、おもしろいなと。

食っていくためにしぶしぶやっていることなんて、好きで没頭してすごい時間を投資している人には勝てません。だから結局突き詰めれば、自分がストレスを感じないこと、好きなことをハマってやるのが多分一番良いのだろうなと思います。

あ、どちらにしろ、一度自分のサービス/プロダクトを売り出してみるというのは良い経験になるのでオススメです!リアルタイムでやっているにしろ、過去にやっていたにしろ、成功したにしろ失敗したにしろ、経験がある人と仕事の話をするのはすごくおもしろいなーと感じることが多いです。身があるというか。だから僕も自分でやってみて他の人にそういう風に思われるような人になりたいなと思うんです。自分でやったことがないのにネットや本で読んだだけでしたり顔でいろいろ言ってる人って結構いるじゃないですか。知識はあるのかもしれませんが、なんか芯の部分の詰まっている感じを感じないというか、や、僕の感覚の話なのでアレですが…。

いろいろなところに顔をだす

数値化できないんですけどやってて良かったなと思うことは、全国各地いろんなところの勉強会・コミュニティに参加したことです。単純にいろいろな人の話を聞くのが好きだというのがあってちょこちょこいったりしているのですが、多分これも「プロ感」を演出する一つの要因になるんじゃないかなと思います。

や、別に誰かに「僕いろんなところに言ったり登壇したりしているからプロ感ありますよね?」なんて恥ずかしいことは一度も聞いたことがないのですが(多分)、他にそういう感じの人をみたときに僕はその人のことをプロ感あると思ってしまうので。どうですかね。

あ、あとただ参加するだけよりは、喋らせてくださいとかスタッフ手伝いますよとか、なんかやったほうが良いと思います。ただ参加だけしていたときと、いろいろやるようになった今とを比べると、知り合いも増えたし、呼んでもらえることも増えたし、それが仕事につながるかどうかは別ですが、方向性として、やっぱり全国各地の人に認知してもらえたほうが全国各地から仕事は入ってきやすいんじゃないかと思います。

とはいえ、僕は長崎を除けば、ほぼ WordPress 関係のところにしか顔をだしていないのですが、やっぱりそれはフィーリングが合うからというか居心地が良いというかそんな感じなので、自分の参加しやすいコミュニティを見つけるというのは多分大事です。ストレスばかり感じるところだとすぐいきたくなくなるし、いきたくないのにいくとなると「仕事のため感」が強くなってるはずなので、自分も楽しくないし、多分仕事面でも逆効果なんじゃないかなと。

余談ですが Snow Monkey オンラインコミュニティは来るものは拒まずさるものは追わずの超気軽な場所なのでぜひお気軽にご参加ください(宣伝)。

【おまけ】フリーランスになって、本題じゃないけど考えておいたほうが良いこと

事務作業がめんどくさい

フリーランスになるということは、全てのことを自分でやらなければいけません。会社員の場合は年金、健康保険、各種税金の納付を会社がやってくれますし、半分を会社が負担してくれますが、フリーランスの場合はそれらを自分でおこなわなければなりません。加えて確定申告も自分でおこなわなければならないので一定の経理の知識も必要になりますし、独立したからといってやりたいことに全ての時間を使えるというわけではありません。

僕は今年になって税理士さんと契約して、日常の経理や年末調整、確定申告全てをお願いするようになりましたが、自分でやっていた3年間はこれらが本当にストレスでした。フリーランスになって自由に仕事ができるようになったからこそ、やりたくもないことに時間を使わなければいけないことがたまらなくイヤでした。

基本的な知識は覚えていたほうが良いと思うので、1年目は自分でやったほうが良いかもしれませんが、余裕がある場合はもっと早くからプロにお願いしたほうが良いと思います!

ただ、今は Web 系の場合は他の業種に比べ、仕入れや何やらがあるわけではないのでクラウド会計ソフトを使えばそこまで全くわからん、となることは少ないと思います。僕の場合はプロダクトを販売しているのと、妻が青色専従者なので、それらにかかる負担がかなりキツかったというのがあります。雇用や専従者はナシで、受託だけしかやらない、ということなら、そこまで大変ではないかもしれません。

労災・雇用保険がない

ちょっと詳しくないので誤りがあるかもしれません。という前置きで。

会社員の場合は労災保険、雇用保険に入っていると思います。なので怪我や病気で働けなくなったり、育児休暇をとったときなどは一定の給付を受けられるようになっています。しかしフリーランスの場合はそれらがありませんので、働けなくなればその間収入はなくなります。また、会社員の場合は厚生年金ですが、フリーランスは国民年金になるので、老後に受け取れる年金はフリーランスは少なくなります。

細かいことを言えば、会社員の場合は会社で使っている PC が壊れれば会社が新しいものを購入しますが、フリーランスの場合は必要なものは全部自分で購入/負担しなければなりません(まぁこれも他の業種に比べれば、Web 系の場合はだいぶマシだとは思います)。

そういうことから、フリーランスの場合はもしもの場合に備えて毎月入るお金を増やしたり蓄えておく必要があります。フリーランスの場合は会社員の○倍の収入が必要みたいな話がありますが、やはり会社員のときと同じくらいの収入だと僕はちょっと不安だなと思います。

あと、僕は残念ながら意識が低くてやった今年からなのですが、生命保険を見直したり、健康診断を受けたりしました。一定のキャッシュフローと貯蓄があれば入院保険はそこまで重要じゃないなと思って見直したり、就業不能保険について調べたりなどしました。健康診断は1万円弱で最低限の検査はできるということを知ったので、とりあえず毎年1回は受けようかなと。この辺もやっぱり労災・雇用保険が無いので、ちゃんと検討したほうが良いかなと思います。

終わりに

なんか最初に書こうと思っていたことと、書き始めてから書いていることが自分でもアレ?と思うくらいズレているような気がするのですが、アドベントカレンダーという性質上今日中に公開しないといけないので、方向を修正せずに勢いのままに書きました(21時書き始め、現在23時55分)。

この記事を書いた人

キタジマ タカシ

長崎県長崎市在住。地元のWeb制作会社でWebデザイナー/エンジニアとして従事した後、2015年にフリーランス [ モンキーレンチ ] として独立。WordPress のテーマやプラグイン、ライブラリ、CSS フレームワーク等、多数のプロダクトをオープンソースで開発・公開しています。

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