僕が WordPress 有料テーマ Snow Monkey を再販/再頒布されても良いし(多分やる人もいないし)、そこに大したリスクは無いと思っている理由

昨日 Capital P で WordCamp Osaka 2018 の見どころ紹介ポッドキャストが公開されました。

その中で僕のセッションについても触れられていたのですが、その中で次のような会話があっていました。

「このポッドキャストにきてくれたときはさ、もう全然わかんないんですよ、全然売れないし、みたいなこと言ってたじゃん。もういいから流行ってほしいから誰か無料で配ってほしいみたいなこといってたじゃん」

「自暴自棄になってたもん」

「あるいはお金いらないから売ってよみたいな」

「もういま正気に返ったんじゃないですか?」

「はやまらなくてよかったみたいな」

自暴自棄w 今はもう良いからとにかく流行ってほしいとは思っていなくて、Snow Monkey の思想に本当に共感してくれるユーザーが増えてくれれば良いなと思っていますが、誰かが無料で再頒布したり、あるいは再販したりということは特にやめてほしいとも言わないし、誰々に配ってもいいですか?と聞かれれば「良いですよ」とお答えしています。

その辺について、ちゃんと書いたことがなかったので、せっかくなのでどう考えているかを書いてみたいと思います。

現在どんな感じなのか

事前にこの記事を妻に見せたら「今現在の売上がわからないと説得力なくない?」と言われたのでそれから書こうと思います。確かに月に5万しか売り上げてなかったら 100%GPL でもいける!と言ったところで説得力ないなと。ただ、金額をモロに見せるのはちょっと趣旨がそれる感じがするのでちょっとぼかして書くと「請負の仕事が一切入らなくてもとりあえず生活はできる」くらいです。月によってばらつきはあるので、まだまだ毎月これくらいは期待できる、という絶対の安心感は持っていない、という感じです。

そもそも

そもそもですが、Snow Monkey は 100%GPL です。GPL というのは、簡単にいうと、本来これは僕の著作物だから勝手に再頒布したらダメだけど、約束を守ってくれれば再頒布しても良いよ、というライセンスです。

GPL は「そのプロダクトとプロダクトの派生物にも GPL を引き継がないといけない」という決まりがあり、WordPress は GPL なのでその派生物である Snow Monkey も GPL になります。だからそもそも、再販・再頒布はやめてください、ということはできないんですよね。GPL を選択しているということは、再頒布されることを許している、ということなので。

でも、やっぱりそんなに自由に配られたら困るという人もいるわけで、だからスプリットライセンスにして勝手に再頒布されないように制限したりする人もいるわけですが、僕は別にそのような制限をしてもしなくても別に大して変わらないんじゃないかな?と思っています。

誰かが再販するとき、再販者にメリットはあるのか

まず再販について。再販したいというのは「開発コスト0で手に入れたプロダクトを売ればそこにコストが掛からないから儲かる!」ということだと思うのですが、儲かるためには数を売らないといけないわけです。

本格的に再販すれば、当然その再販者には購入者から問い合わせがきたりサポート依頼が結構くるわけですが、僕は Snow Monkey をすごい頻度でアップデートしているし、たまには仕様も変わるし、その再販している人が自分で完璧にサポートするのは現実的にかなり大変です。

Snow Monkey は購入者限定のオンラインコミュニティサポートフォーラムでサポートを行っていますが、サポートを受けられるのは「僕からの購入者限定」なので、僕からサポートを受けられるのはその再販者の人だけであり、売れば売るほどその人はサポート負荷が高くなって成り立たなくなると思うんですよね。だから恐らく、本格的に再販しようと思う人はでてこないだろうなと考えています。

再販者から購入した購入者目線では

あと、Snow Monkey のダッシュボードにはサポートフォーラムの投稿が表示されるので購入者さんは「サポートを行うためのサポートフォーラムは存在するけど、公式から買ってないからオフィシャルなサポートは受けられない」ということは認識できるんですよね。それを認識したとき、購入者さんはどう思うでしょう?

サポートフォーラムでは開発者から直接サポートを受け解決する事例がたくさん掲載されている、自分は再販者から購入しているからオフィシャルなサポートは受けられないし、再販者もオフィシャルほど完璧なサポートはできない。

だから購入者目線でも再販者から購入するメリットは「価格が安いこと」しかないし、思ったようにカスタマイズできなかったり使い方がわからなかったりするストレスを考えると、普通に僕から購入したほうが良いわけです。

あと、単純に考えて、どこの誰だかわからない人が再頒布しているものは改造されて危険なコードが埋め込まれている可能性もあるわけで、普通は開発元から買おうと思わないかなぁ。どうでしょう?

広告効果

ということで、気にしないといけないのは無料で再頒布される場合だと思うのですが、そもそも Snow Monkey は GitHub でパブリックに公開しちゃってるし、問い合わせいただければ試用のためということでそのまま Snow Monkey をお渡ししているので、あえて誰かが無料で再頒布する意味も無いんですよね。

だから実際に考えられるのは、自分の友だちとかにコピーしてプレゼントするとか、制作会社が1つ購入して複数のクライアントの制作に使用する、というくらいだと考えています。これらの行為は他のスプリットライセンスの有料テーマは禁止されたり制限されたりしていますが、でも実際、やってもバレないわけじゃないですか。規約で制限したところでどうせやる人はやるし、それなら堂々と、自分が共感している 100%GPL にしたほうが良い、という考えで僕は 100%GPL にしています。

で、そういう少数の再頒布というのは、多少の広告効果にもなると思うんですよね。僕は Snow Monkey は他の有料テーマより使いやすいという自信があるので、どうにかして無料で手に入れた人も、Snow Monkey がめちゃくちゃ良ければ「Snow Monkey っていうテーマが良いよ〜」とどこかで人に言いたくなるじゃないですか。他の有料テーマは広告を打ったりアフィリエイト出稿しているものが多いですが、Snow Monkey はそのような広告に今は一切費用をかけていないので、そうやって多少再頒布されて使用されるのが、それらのコストの代わりだと考えています。

実際の肌勘

試用提供した方がこっそり使っていたり、GitHub から落とした人がいたとしても現実的に調査できないし、実際のところ、どれくらいの方が無料で手に入れて利用しているのかはわかりません。

ただ、試用した後に購入してくださる方も実際結構多いので、めちゃくちゃ無料利用されて大変に困るということも今のところは感覚としてはありません。Snow Monkey がもしめちゃくちゃ急成長したときは困ることもでてくるかもしれませんが、めちゃくちゃユーザー数が多い Beaver Builder プラグインなんかも 100%GPL だし、多分問題ないんじゃないかなー。

とはいえ、他のスプリットライセンスの有料テーマと比べれば、Snow Monkey の知名度は売上はかなり少ないほうだと思います。僕は 100%GPL の思想に共感しているし、100%GPL でも十分に商売できるということが証明できれば堂々とテーマビジネスに参入できる人も増えてユーザーにとっても選択肢が広がると思うので、もっと頑張っていきたいなと思います。