キタジマ タカシ この記事は Snow Monkey アドベントカレンダー2日目の記事です。
ネタを全然用意していない + 日曜日なので、今日はちょっとライトにいきたいと思います！（2日目にして。。）
今日は WordPress のライセンスについて僕がちょくちょくみかけるなーという誤解について書きたいと思います。
「スプリットライセンスはライセンス違反」は間違い
WordPress のライセンスは GPL ですが、WordPress コミュニティの中では、さらに「100%GPL」「スプリトライセンス」という考え方があります。
100%GPL はそのテーマやプラグインに含まれる全てのファイルのライセンスが GPL 互換、スプリットライセンスは WordPress に用意された関数等を使用するファイルは GPL、それ以外の独立したファイルについては独自ライセンス、というライセンス形態のことになります。
詳しくは下記をご覧ください。
上記のページの中にも書いてありますが、スプリットライセンスはライセンス違反ではありません。GPL に違反しているプロダクトが叩かれるのがもちろん当たり前だと思いますが、なぜか法律に違反していないスプリットライセンスのプロダクトまで叩かれているのをたまにみかけます。
WordPress コミュニティにといてはスプリットライセンスのプロダクトは推奨されませんが、それは100%GPL のプロダクトをを推奨していこうという考えからきているものであり、スプリットライセンスがライセンス違反だからではありません。
GPL でライセンスされたファイルにも著作権はある
有料の WordPress テーマの利用規約を眺めていると、
当テーマのPHP部分についてはGNU General Public License（以下「GPL」といいます）が適用されます。
当テーマに含まれる画像、HTML、CSS、Javascript等にかかる著作権を含む知的財産権は、加工の有無を問わず、全て当社または当社に使用許諾を与える第三者に帰属します。
という記述を、コピペで使いまわしてるよね？と思うほど、あちらこちらで本当によく見かけます。この記述は僕は本当に謎だと思います。
前段で PHP と明記してこれは GPL だと宣言し、後段で（あえてPHP を除外して）その他のファイルの著作権（を含む知的財産権）は当社に帰属、と書いてあるわけですが、GPL でライセンスされたファイルにだって著作権はあります。パブリックドメインじゃないんだから。
GPL でライセンスしないといけないファイルは PHP だけじゃない（多分）
あと、PHP だとか JavaScript だとか、ファイルで区切っているわけですが、GPL でライセンスしないといけないかどうかは WordPress の関数や API を使っている（つまり、WordPress から派生している）かどうかで決まります。現在の WordPress は PHP だけじゃなく JavaScript 空間にも wp というグローバルオブジェクトがあって、その中にカスタマイザーの API やら Gutenberg 用の API やらが入っているので、これを利用するユーザーコードも GPL にする必要があるでしょう。
もしその有料テーマが JavaScript で wp.なんちゃら という API を使っているのであれば、スプリットライセンスにするために上記のような規約にしたつもりが、PHP に限定しちゃってることで逆にライセンス違反になってしまう…ということが起こりえます。
（なんだかモヤッとした言い回しだし、僕は法律の専門家ではないので間違っている可能性はあるかもしれません。もし間違いがあればぜひ教えてください！）
まぁ何が言いたいかというと、こんな適当でほんとんど意味をなしてないような規約に何か意味があるんですかね。WordPress という、人様の著作物を使って商売するんなら、ライセンスくらいはちゃんと守りましょうよということです。「特別ライセンス」なるものも、有料テーマ界隈でよく見かけますが、これもよく読むといろいろおかしいですよ。
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